最近カンファレンスなどでチャットボットを知っているかをお伺いする際に、よく手を挙げていただくことが多く、チャットボットの認知度が広がってきていることを実感しています。一般的にチャットボットの利用用途のイメージとしては、CS活動強化の目的でカスタマーサポートを効率化できるツールだ思われている方が多いのではないでしょうか。
実はチャットボットはCS活動強化以外にもWebサイトのお問い合わせを増やすためのCVR(コンバージョン率)改善施策としてもご活用いただけるツールです。今回はその手法をご紹介いたします。
目次
CVR(コンバージョン率)を高める方法
CVR(コンバージョン率)を高めるためにかかる工数
チャットボット型マーケティングツール「SYNALIO」を活用したCVR(コンバージョン率)改善施策
まとめ
“CVR(コンバージョン率)を高める方法”
Webサイトからお問い合わせを増やしたいと考えた際に、アクセス数を上げる施策ばかりでなくCVR(コンバージョン率)を高める施策も重要になります。
Webサイトへのアクセスが40000件で、CVR(コンバージョン率)が0.5%の場合、お問合せ数は200件ですがCVR(コンバージョン率)が1%の場合は、お問い合わせ数は400件です。CVR(コンバージョン率)を0.5%改善できれば、CV件数は200件増えることになります。
また、99%のCVしなかったユーザーに対してナーチャリング(顧客育成)を行い、見込み顧客へ態度変容させるだけでCVR(コンバージョン率)に大きな変化を与えます。
今までの施策では、CVをして実名化したユーザーをメルマガ送付や電話をすることによってナーチャリング(顧客育成)をすることが主流となっていたと思います。ただ、実名化するユーザーは全体の約1%ほどなので、母数が多くはありません。
そこで私たちは母数の多い、まだ実名化していない99%のユーザーに注目しました。この名前の分からない匿名ユーザーをナーチャリング(顧客育成)することが今後のマーケティングで重要になる可能性があるのです。
“CVR(コンバージョン率)を高めるためにかかる工数”
CVR(コンバージョン率)を高めるためには、以下のような分析が必要になります。
・お問い合わせ、資料DLフォームへの送客数のチェックや改善
・サイトキャッチコピー、サービス説明文の改善
・ユーザーのサイト行動経路の調査・改善
など
このようにCVR(コンバージョン率)の改善を測るには、多くの工数がかかります。
ユーザー毎の興味関心が分からないからこそ、細かい統計データを把握して全体数値に影響を与える改善施策を行っていかなければなりません。
専属のWeb担当者の方や、Web運用コンサルティングの方にお任せしている場合は、細かい施策を管理してくことは可能でしょう。しかし、兼務でWebサイトを管理している方や、Webサイトのページ数が膨大な場合は、上記施策を回していくのには非常に工数がかかります。
そこで今回はWebサイトに訪れるユーザー分析の自動化をお手伝いする、弊社チャットボット型マーケティングツール 「SYNALIO」を活用した、CVR(コンバージョン率)を上げる方法を中心に紹介させていただきます。
“チャットボット型マーケティングツール「SYNALIO」を活用したCVR(コンバージョン率)改善施策”
・サイト訪問者の行動データの活用
ユーザーのcookie情報を介して、ユーザーがどこからきたのか、どのページを見ているのか、ページの滞在時間などといった行動データと呼ばれる情報を匿名状態のままユーザー毎にラベリングをすることが可能です。
これにより、匿名Aのユーザーはリスティング広告経由で、ネクタイA.Bのページを2分以上閲覧しているというデータを取得できます。このデータの取得によって、ユーザー単位で何に興味があるのかを把握することが可能です。
このデータを見ると匿名AのユーザーはネクタイA,Bに興味を持っている男性ではないかということが推測が出来ます。
こういった、まだニーズを把握しきれていないユーザーに対して、「今日はどのような目的でどんな商品をお探しですか?」とチャットボットで話しかけを行うことにより、ユーザーの本当のインサイトを把握することが可能になります。
・チャットボットを使用した会話データの活用
チャットボットでリアルで行われる接客のように会話をする中で、顧客が今「どのような状況なのか」「どのような情報を求めているか」「どのような感情を抱いているか」など、行動データだけでは取得できない「なぜ興味があるか」という、ユーザーのより真実に近いインサイトを把握することが可能になります。
これにより、行動データに会話データを加えると匿名Aのユーザーは、ネクタイを誕生日のプレゼントとして探しており、予算は3万円という「なぜその商品に興味があるのか」という根拠を会話データを通して取得することが可能になります。
行動データだけでは男性で自分用にネクタイを探していると思っていた匿名Aのユーザーが、実は恋人に誕生日プレゼントを探している方だということも分かります。
この匿名Aのユーザーに対して誕生日用のプレゼントとして、「ネクタイのラッピング」や「カスタマイズをしませんか?」といったそのユーザーに合ったアクションを自動で紹介することがSYNALIOでは可能です。
“まとめ”
チャットボット型マーケティングツール「SYNALIO」は、従来でも取得できる行動データを把握するだけでなく、チャットボット介して取得した会話データを活用することが可能です。これにより、ユーザーの興味・関心を把握し、ユーザーに寄り添った1to1マーケティングが可能になります。
CVR(コンバージョン率)を上げるために、統計データから細かい施策を打っていくことも大事ですが、まずはユーザー一人ひとりに寄り添い、興味に合わせた価値を自動で提供することに注力することも重要でしょう。これを行うことにより、ユーザーに価値を与えながら効率的かつ親切にCVR(コンバージョン率)を高めていくことが可能だと、私たちは考えています。