先日アベノミクスの未来投資戦略で社会のアップデート、”Society 5.0”についての発表がありました。大きく変化していく社会の中で、デジタルマーケティングはどのように変わっていくべきなのでしょうか?
“産業革命と共に起きてきた過去のアップデートは?”
今までも私たちの生活している社会は、大きな変化を迎えたタイミングがあります。
段階ごとに見てみると
・狩猟社会(Society 1.0):縄文時代。狩りを行っていた社会。
第一次産業革命が起きる:蒸気機関や紡績機などによる軽工業の機械化が進む。
↓
・農耕社会(Society 2.0):弥生時代~江戸時代。農業が発達し、村社会ができる。
第二次産業革命が起きる:石油・電力・重化学工業が発展する。
↓
・工業社会(Society 3.0):明治時代~昭和時代。文明開化に伴い、機械産業が発達した。
第三次産業革命が起きる:インターネットの出現、IT機器が急速な普及される。
・情報社会(Society 4.0):平成。IT革命に伴い、インターネットや携帯電話が普及。
第四次産業革命が起きる:技術の発展からAIやIoTが開発される。これらによる、情報収集の共有、活用など自動化が発展する。
引用元:http://www.keidanren.or.jp/policy/2018/095_honbun.pdf
http://neuro-educator.com/industory4-society5/
https://pagez.jp/blog/what-is-society-5.0.html
上記は現時点までの社会のアップデートの流れであり、現在は情報社会(Society 4.0)と呼ばれています。
そして現在第四次産業革命を迎え、超スマート社会と言われるSociety 5.0の実現に向かっています。
“Society 5.0とは”
Society 5.0は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより実現します。
引用元:https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html
経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)です。
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新しい社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において日本が目指すべき未来社会の姿として提唱されました。
引用元:http://neuro-educator.com/industory4-society5/
Society 5.0になると、今まで解決できなかった問題や課題が克服されると言われています。
例えば、離島などすぐに宅配を行うことが不可能な場所でも、時間通りに荷物を届けることができるドローン宅配や、高齢の方が病院に行けない時に画面越しでも血圧や体温が測れる遠隔診断などです。
人間の力だけでは物理的に解決が不可能なこともSociety 5.0の社会では、AIやIoTの力で実現可能と考えられています。
“情報伝達の変化”
このSociety 5.0は、明確にいつからとは言われていないものの、近い将来実現されると考えられています。
そして注目すべきは、社会の生産性が上がることで、情報伝達の方法も変わっていくという点です。
まずはユーザーの行動の違いから考察してみます。
Society 4.0とSociety 5.0の大きな違いはユーザーの行動に現れてきます。
ユーザーの行動はこれから、「情報を自分で探す」から「提案をもらい、意思決定をする」へ変わっていきます。
Society 4.0は、クラウドサービスが一般化してユーザーはどこにいても好きなタイミングで欲しい情報を取りに行ける時代です。
みなさんも、「美味しいご飯やさんが知りたい」、「新しい洋服が欲しい」など何か知りたい情報がでてきた時にスマートフォンを手に取り、情報収集をすることが日常になっていると思います。
ところが、Society 5.0では、今までの溜まっているデータをAIなどがセグメントを切って提案してくる時代になります。
そのため、ユーザーが自ら情報を探しに行く機会は減っていき、提案された情報に対して意思決定を行い、必要か不必要かを判断するようになります。
このSociety 5.0は、はるか未来の話ではなく、すでに身近なところで始まりつつあります。
例えば、スマートスピーカーが一つの例です。
私たちは、このスマートスピーカーがSociety 5.0のリードプロダクトだと考えています。
なぜかというと、なにか質問をした際に回答が選定され、且つたったひとつだけ返ってくるからです。
今までは検索エンジンで検索をしたら、検索結果でたくさんの候補が表示されていました。
しかし、スマートスピーカーはAIが考え、多くの情報の中からたったひとつの最適な答えを提案してくれます。
AIが今後発達し、ユーザー毎に合わせた情報を正確に届けられるようになった場合、情報は精査されてしまいます。そこでは当然選ばれなくなる情報も存在するでしょう。
Society 5.0の社会では、情報を探しに行くのではなく提案を受けて選ぶ世界が実現すると考えられています。
“これから迎えるSociety 5.0で大切になること”
Society4.0(情報社会)のユーザーが情報を「探す」社会から、「提案される」社会になることで、私たちはユーザー一人ひとりに、正しくフィットした情報提供が必要になってくるでしょう。
最適な答えに選ばれるためには、パーソナライズ化された情報を届けるということが重要になります。
では、なにをもって「パーソナライズ化された最適な情報」と言うことができるのか。Society 5.0の社会で追いかけるべき指標はここになるのかもしれません。