“事業内容も含め、自己紹介をお願いします”
当社は、足袋装束店として1882年に創業しました。長い歴史の中でいち早くイメージキャラクターの福助さんを使用したアドバルーンを広告に取り入れたり、全国に広告塔を建設したりと積極的な宣伝活動を展開し、今日までに足袋、靴下、ストッキング、インナーと事業を拡大し続けてきました。
福助は、ご家族で二代、三代と使い続けていただいているお客様もたくさんいらっしゃいます。お客様は40〜50代が多く、リピーターであるほど年齢層は高くなりますが、最近はレギンスなど20〜30代の若い層を意識した商品ラインナップにも力を入れています。
私が所属するWeb事業部は約15名が在籍し、公式オンラインストアや、楽天などのモール出店等、オンラインでの小売を担当しています。私の主な業務は、公式オンラインストアを運営する直営担当のチームで、特集やイベントの企画立案やメルマガ作成のほか、生産部署への商品発注や在庫管理、経費処理、お客様対応などを行なっています。
“SNSの運用もWeb事業部の方が担当されているのですか?”
はい。TwitterとInstagram、LINE公式アカウントの運用を私たち直営担当のチームで行なっています。特集やプレゼント企画などの情報を発信すると、Twitterでの反響が大きいですね。Twitterではお客様にどのようなノベルティが良いかアンケートを取る企画も行っています。実はこのアンケート結果で福助さんがプリントされている靴下が1位になったんです。皆さんが福助さんのことを好きだと知ることができてとても嬉しかったです。
LINE公式アカウントは週に3日更新し、特集を組むたびにオンラインショップに誘導して商品の訴求を行なっているので、LINE公式アカウント経由でご購入いただくことも増えてきました。
“SYNALIO導入前はWebサイトにどのような課題がありましたか?”
これまでは、公式オンラインストアとモールのお客様からのお問い合わせ対応を全てアウトソーシングしていました。しかし、昨年の10月からこれを全て自社で行うことになり、そこから私が一人で担当しています。
1日平均5件ほどのお問い合わせがありますが、当初は慣れていないこともあり、1件あたりお答えする内容を考える時間も含めて20分ほど時間がかかっていました。1つのお問い合わせに対して大体2〜3回のやりとりをして半日がお客様対応で終わってしまうこともありました。
当時新入社員だったので業務はそれほど多くはなかったのですが、お問い合わせ対応の他にも、売上の管理や特集の考案という業務も持っていたので、効率よくお問い合わせに対応できないかと考えていました。
特に年末年始やキャンペーンの期間はお問い合わせ件数が増えるため、1日中対応をしている時もありました。こういった対応に追われ、時間に余裕がなくなってくると本来お客様が伝えたかったことを汲み取りきれず、メールのやり取りが増えてしまったり、行き違いが生じてクレームになることも以前はありました。こういったことにより、一人ひとりのお客様に要する時間が余計に増えてしまっている状況でした。
お問い合わせ内容は、注文間違いによる返品交換やクーポンの使用を忘れてしまったというものが多かったです。これはサイト内の「ご利用ガイド」に掲載されている内容なので、お問い合わせをする前にまずは、お客様にご利用ガイドに掲載されている情報をご確認していただくことが課題でした。
一方で、お問い合わせ対応を全て内製化することにより、今まで見えていなかった課題にも気付くことができました。例えば、福助の公式オンラインストアで自分で購入をする際に、「ここが分かりにくいからクーポンコードの使用を忘れてしまうのか」と今まで注意して見ていなかった所も見れるようになりました。
“SYNALIOを選ばれた理由を教えてください”
ご利用ガイドは、サイトに訪れた方全員に見ていただくページではないので、トップページに出すのではなく「お問い合わせがしたい」というお客様にだけスマートな形で見せたいと考えていました。そこで注目したのがチャットボットです。
10種類以上のWeb接客ツールを比較検討し、いくつかが候補にあがりました。中でも、SYNALIOは私たちの当初の目的である「お問い合わせ件数を減らす」ことができるだけでなく、後々コンバージョン向上としても活用できる点が魅力でした。ツールを検討していた私の上司は、「せっかくチャットボットを導入するならお問い合わせ工数削減だけでなく、売り上げも伸ばしたい」と考えており、ギブリーさんからSYNALIOを活用したコンバージョン向上の説明を聞いてワクワクしていました。
“現在はどのようにSYNALIOを活用していますか?”
現在は、ご利用ガイドとお問い合わせフォームの2つのページにSYNALIOを設置し、カスタマーサポートとして活用しています。これまでお問い合わせが多かった「注文について」「交換・返品について」といった項目をピックアップし、これに対してご利用ガイドの内容を抽出して回答する形で会話を作成しました。
ただ、最初に作成した会話ではチャットボットの最初の選択肢が多くなってしまい、どれを選べば良いのかお客様に分かりにくい構造になってしまいました。また、回答にはご利用ガイドに掲載されている情報をそのまま流用していたため情報は網羅されているものの、文章が長すぎるという欠点もありました。
そこで現在は、「項目をある程度絞って分かりやすく端的に見せる」という形へと少しずつ移行しています。会話作成は、ギブリーさんの担当の方にもお願いをして作成していただき、大変助かっています。
ご利用ガイドページ
URL:https://shop.fukuske.com/guide/index
お問い合わせページ
URL:https://shop.fukuske.com/inquiry/index
“SYNALIO導入後、効果はありましたか?”
はい、効果はかなり出ています。
今年の4月に導入し、7月時点のチャットの利用率がご利用ガイドページで6.4%、お問い合わせページで24.1%と、とても高い数字が出ています。年齢層が高いお客様が多いですが、チャットボットは使いやすいので慣れていただければ利用率は更に上がるのではないかと思います。
また、お問い合わせ件数は22件減りました。実際、もともとお問い合わせが多かった項目とSYNALIOでクリックされている選択肢がリンクしているので、件数が減ったのはSYNALIOのおかげですね。更に効果をだして全体的な母数を減らすために、内容の改修に今後も注力していきたいと考えています。
“今後、どのように改修していく予定ですか?”
SYNALIOを運用する中で気付いたことが2つあります。
1つ目は、私たちが想像していなかった問い合わせ内容に需要があったことです。
もともと問い合わせが多かった返品や交換についての他に、「注文について」という選択肢が多く押されていました。ここに関してはまだ、どのような内容をお客様が求めているかを調査中です。「注文について」という内容が大きな枠組みになっていてざっくりとしているので、注文方法なのか、お支払いについてなのかとお客様の求めている内容の正解を探している状態です。
2つ目は、ご利用ガイドページとお問い合わせページで、お客様の緊急度が違うということです。
ご利用ガイドは全体的な情報を求めている方、お問い合わせページは知りたい情報がすぐに欲しい方によく見られています。ですが、現状は同じ会話の内容のSYNALIOで運用しているため、ページ毎で会話のだし分けを行ってそこに差をつけるのが直近の計画です。
具体的にはお問い合わせページでは最初の選択肢を減らして、その先で分岐を増やし、答えに導くという道筋を作りたいと考えています。ご利用ガイドページでは、お問い合わせページでカバーできない汎用的な情報を網羅できるようにしたいと考えています。
“今後、SYNALIOでやっていきたいことはありますか?”
会話の中で画像やカルーセルを使って、もっと見やすく面白いものに仕上げていきたいですね。
カスタマーサポートが軌道にのれば、コンバージョン目的の活用も積極的に行いたいと思っています。現在、商品に関するお問い合わせメールが1ヶ月に30件ほどあるのですが、この内容に対しては、カスタマーサポートよりコンバージョン向上の設計のSYNALIOとしての活用で、商品の仕様を説明できれば解決するのではないかと思っています。
また、商品のカテゴリページで足袋の履き方や選び方、ストッキングのデニールの違いをSYNALIOに動画を入れてご案内したりしていきたいと考えています。これからもSYNALIOを活用してワクワクするような仕組みを作っていきたいですね。今後が楽しみです。