“東京ソワール様の会社概要とブランドをご説明してください”
島村様:東京ソワールはレディースフォーマルウェアの製造・販売ならびにアクセサリー類の販売を行っています。創業は1969年(昭和44年)、元々着物文化だった日本に、洋装文化を初めて取り入れた企業です。
トップページURL:https://formal-message.com/shop/
2007年にECサイト「FORMAL MESSAGE」を立ち上げました。通販サイトとはいえ、当社は卸売りが事業の大きな柱ですので、当時は「卸している商品を紹介する」という控えめなトーンになっていました。
ECサイトをスタートさせながら2009年に小売り事業を始め、「form forma」というショップを立ち上げました。そこから十数年たって、今は卸売りと小売り、それから売り上げ構成比率が上がってきているEC、これら三本がフォーマルウェア事業の柱になってきております。
“ご担当されている業務と自己紹介をお願いします”
島村様:私は1995年に新卒で入社し、当時は百貨店の営業を担当致しました。そこから14年後の2009年にリテールビジネスの立ち上げを行い、2020年の年末まで続けておりました。
以前から会社としてはデジタル戦略を強化していくという方針があり、デジタル戦略部が2020年1月から発足してはいたのですが、前任者が兼務しているという状態でした。そこを強化するには専任の人材が必要だということで、2021年1月より、私がリテール事業部からデジタル戦略部の責任者として異動となりました。
これを機にデジタル戦略部にコーポレートサイトの運用を取り込み、WEB事業グループ、マーケティンググループ、レンタル事業グループも合わせて組織形成することにしました。
小西様:私は2010年に新卒で入社し、当時は社内SEを担当しておりました。その後、2017年にWeb事業担当へ転属となり、現在はアクセス分析と広告運用、SEO対策、接客ツールの運用などを担当しています。
“デジタル戦略部の役割とミッションについて教えてください”
島村様:WEB事業グループはEC化率を高めていくことがミッションです。売り上げの内アパレルのEC化率の平均が14%ぐらいなのですが、まずは10%までEC化率を持っていきたいと思っています。
単に売り上げが上がればいいというわけではなくて、お客様の満足度を上げていくことも常に追求しています。例えば、“取り置き・取り寄せサービス”というものがあり、公式オンラインショップから見た「気になる商品」を、他のお店に取り寄せすることができます。そういった購買価値を高めていくための機能もECサイトに実装していく。こういう痒い所に手が届くサービスがECサイトに期待されています。EC単体の部分と総合的に売り上げを上げていく仕掛けを作っていくという面を持っています。
そういった機能を充実させていくことにより、「CVR」「集客数」「ARPU」などのKPIはもちろん、リピート率の低いフォーマルアイテムにおいても「LTV」をKPIとして設定し、ファンビジネスの構築を主要目標としています。
“他社のブランドと比較したときに、どんな点を強みとして訴求していますか”
島村様:品質です。そこは絶対に負けないと思います。品質については素材の良さも重視していますが、パターンデザインについて特にこだわっています。完璧度を上げるために一切の妥協は入りません。ここは創業者が起業してから今まで一切ぶれていません。品質へのこだわりこそが、今の強みにつながっています。
“顧客に「知ってもらう」という点では検索、あるいはWEBの広告があると思うのですが、他にどのような施策を実施されていますか”
小西様:SEO対策として、記事コンテンツを作成しています。フォーマルに関するルール・マナーをテーマに、葬儀に参列される際の着こなしやルール、それに合わせるアクセサリーは何がふさわしいのか、などといった記事を作成しています。作成から半年が経過しましたが、流入数が伸びてきています。
“WEBサイトに流入した後の購入促進として、チャットボットとポップアップを入れていますが、それ以外にどのような施策を実施されていますか”
小西様:サイズ診断ツールを導入しております。
お客様からヒアリングして、回答をいただいた中で最適なサイズのレコメンドへ続く流れにしています。
あとは、レビューのツールを入れています。サイズや生地感などの購入不安をできるだけ解消するような形で情報を提供しています。
また、試着サービスというものがあり、「FORMAL MESSAGE」の中で一番多く利用されています。
こちらのサービスはサイズ違いであったり、デザイン違いであったり、購入を検討されている商品を、2着まで取り寄せていただけます。ご自宅で試着していただき、不要な商品を返品いただく流れになります。購入される方の約半数以上がご利用になっています。レビューには「このサービスがあったから購入する気になった」などのお声が寄せられています。
“SYNALIOの導入の背景をお聞きします。WEB接客ツールを導入する前の課題として、コロナ禍の影響で店舗の販売が難しくなったのが大きいのでしょうか”
島村様:いいえ、以前から最優先で導入したかったのがWEB接客ツールです。フォーマルの売り上げを左右するのは何においても接客なので接客のレベルをECサイトで上げていくのはWEB接客ツールだという強い思いがあり、御社を含む様々なベンダーさんと相談を始め、選定作業に入りました。
“WEB接客ツールに関しては色々なベンダーさんからお聞きになられたと思うのですが、その中でSYNALIOを選ばれた理由はどういうところですか”
島村様:やはりサポートが手厚いと感じた点です。そこには御社が絶対的な自信をお持ちでした。他社でもサポートを強調しているところはあったのですが、SYNALIOにしました。
WEB接客ツールとは一朝一夕でできるものではなく、ブラッシュアップしていくものですよね。オンボードした後もしっかり自社のECサイトを見ていただきたい。何かあって問い合わせした時に、親身になって対応をいただける会社とお取引をしたかった。それを肌で感じられたのが御社でした。営業担当者様の説明に一番納得感があっただけでなく、実際のサポートぶりは大変素晴らしいです。御社にして本当に良かったなと社内でよく会話しています。
“今、SYNALIOの活用としてはチャットボットを四種類作ってらっしゃいますが、それぞれがどんなお悩みを持っている方に対して、どのような会話を作っているのですか”
小西様:トップページと商品一覧ページには商品診断のチャットボットを設置しています。
ご来店されて数ある商品から何を買えばいいのかというお客様がいらっしゃいます。フォーマルについてはルールやマナーがあり、通常のアパレルとは異なる専門知識が必要になってくるのです。自分に似合う商品はどのように選べばいいか分からないお客様に、ご状況などをお伺いして、最適な商品をお勧めするための商品診断のチャットボットを設置しています。
商品詳細ページにはFAQのチャットボットを設置しております。商品を見ていて気になる商品があったとしても、フォーマルウェアをECサイトで買うのは不安があるかと思います。サイズは合うのだろうか?いつ届くのだろうか?そういったご不安が解消される内容を記載しております。
会員試着サービスのご案内ページにも商品詳細のFAQとは違った試着サービスだけのFAQのチャットボットを設置しています。
商品詳細のFAQでも特に試着サービスへの関心がかなり高いので、試着サービスのページについては内容をよりリッチにしています。
また、カートページにもチャットボットを設置しています。
店頭の販売員のスクリプトの一つなのですが、フォーマルウェアをレジにお持ちいただいたお客様の状況に合わせて、「こういったアクセサリーが必要なのですが、お揃いですか?」というチェックシートのような形でシナリオを設計しています。
“ポップアップも利用されていますね。訴求内容や表示するページなどは小西様が考えているのでしょうか”
小西様:はい。例えば、初めて当店に訪れた方が「商品を通販で買うには勇気がいるな」と思われて、試着サービスを知らずに帰られるのはお互いにもったいない。そこで、通常の期間中は初めて当店を訪れたユーザーを対象に試着を気軽にお試しいただけますよとポップアップを出すようにしています。また、キャンペーン期間中はセールやクーポンなどを出すようにしています。
“SYNALIOの導入前後の変化や効果を教えていただけますか”
小西様:ECサイト全体の購入率が、昨年同月比で132%に向上しております。また、ECサイト内の滞在時間は120%、セット購入率は105%に増えております。
“初期会話は一から作るのが大変だったかと思います。この会話設計は難しくはなかったですか”
小西様:
商品診断については、ヒアリングしたお客様情報と商品の検索軸、商品軸を掛け合わせた会話設計となり、想定以上に会話数が増えてしまい初期構築は少し時間が掛かってしまいました。
“トップページのチャットボットで、管理画面を使ってつなげていくという作業があったと思いますが、使い勝手は難しくなかったですか”
小西様:いいえ、直感的な操作で階層ごとに作ってつなげていけるので、使い勝手について難しいと感じることはありませんでした。
“運用は月当たりどれくらいの時間をかけていますか”
小西様:施策の分析や改善提案、メンテナンスなどであれば3日程度です。どれだけ細かく分析や施策を実施するかで、月によって多少左右されるところはあります。今は負担にならない程度で回しており、月次で効果検証・改善をするようにしています。
“運用の際にどのようなど指標を確認して改善をされてますか”
小西様:チャットボットのオープン率、利用率、チャットボット利用者のコンバージョン数は必ずチェックしています。前月より離脱が増えたりすると、この施策は改善する必要があるとか、この離脱をさらに減らすにはどうしたらいいのだろうかとか、そのような視点でチェックをしています。
“今後のSYNALIOに期待していることがあれば教えてください。”
島村様:SYNALIOで得られたデータを活用できるサービスがあるとよいと思います。例えば、CRMはすごく親和性が高いと思います。コンバージョンには至らなくても、お客様がいつ、何を、どれぐらい探していたのかというようなデータを取得して、そのデータを次のアプローチに活用することができると魅力的です。期待しております。