“事業内容を含め、自己紹介をお願いいたします”
本田様:株式会社ヤマハミュージックジャパンは、ヤマハが製造・開発したアコースティック楽器や電子楽器、音響機器などの販売店への卸売をはじめ、世界の著名ブランド楽器の輸入販売を行っています。
その他にも、ヤマハ英語教室の運営や音楽による地域コミュニティーの活性化を支援する「音楽の街づくり“おとまち”」の運営など、幅広いサービスを展開しています。
私たちが在籍するカスタマーサポート部では、一般のお客様と販売店の方のお問い合わせ窓口となっています。
一般のお客様については、製品購入前後のサポートや製品の修理を行っています。この他にも新商品を導入する際のサービス企画の立案や新しい決済方法の導入など、お客様の満足度を向上させる施策を展開しています。
倉見様:販売店さんから商品をご購入いただいた後のアフターフォローやトラブル時のサポートサービスというのは、お客様にとって見えづらい部分です。しかし、いざトラブルがあった際にお客様が探している情報に素早くアクセスでき、サービスを便利に使っていただけるようにすることが私たちの目標です。
「サービスを探し出す」というよりも、「ニーズの多いサービスをメニュー化する」ことで即座に選んでいただける体制をつくり、お客様のニーズにしっかりとお応えしたいと思っています。
“SYNALIO for LINEの導入以前にはどのような課題がありましたか?”
倉見様:販売店、つまりBtoBのお客様に関しては、これまでサービスのお申し込み方法が電話やファックス、メールといった古典的な方法がほとんどでした。
しかし、最近の利用状況を調査してみると電話件数やメール件数は減り、WebサイトのFAQの利用件数が増えていることが分かりました。また、一般のお客様へのアプローチも、モバイルファーストやSNSなどに力を入れて、古いスタイルを改善していかなければならないと思いました。
本田様:Webサイトの構造も、お客様目線に立ってみると導線の改善を行う必要があると感じました。導線が整っていないと、お客様はFAQページに遷移する前にお問い合わせの電話をかけるという行動に至ってしまいます。
検索エンジンでも関連するキーワードでは弊社の情報がトップに出てくるようになっていますが、スマートフォンが普及してLINEのようなプラットフォームが登場した今、もっと簡単な操作で手軽にサービスを利用してもらう方法があるはずです。
そこで、弊社ではWebとLINE公式アカウントの二つでお客様とのタッチポイントを設けて、利便性をより高めたいと考えました。
“SYNALIO for LINEを選んでいただいた理由はなんでしょうか?”
倉見様:営業担当の方にご紹介いただいたSYNALIO for LINEの導入事例の中に、私たちがやりたいことと非常に近い事例があったことが大きかったです。プラットフォームがLINEで、コンテンツと使い方がかなり参考になりました。
本田様:御社の営業担当の方に説明をしていただいて、「これなら私たちのやりたいことがやれるな」と直感しました。最終的には納期も重要でしたね。たった3ヶ月という厳しい期間だったのですが、しっかりとスケジュール通りに実装まで行え、そのスピード感も素晴らしかったです。
“OracleのFAQと連携をしていますね”
倉見様:はい、そうです。私たちはFAQのコンテンツが溜まっているOracleと連携を行い、FAQのコンテンツを管理したいと考えていました。御社の開発担当の方に「このような仕様は実現できませんか」と相談すると「できますよ」とお返事をいただいたので、OracleとSYNALIO for LINEをAPI連携を行った、FAQコンテンツを作成いたしました。
“FAQのコンテンツはどのように作成したのですか?”
本田様:弊社のサポートチームが5年以上も前から作り続けているコンテンツを活用しました。毎月新しい記事を更新しているので、現在では約8,000記事が蓄積されています。
ページビュー数は1ヶ月で約20万ほどでしたが、コロナ禍になって約40万に跳ね上がりました。自宅で過ごす時間が増え、弊社の商品に触れる時間が多くなり、購入を検討してくださった結果、ページを閲覧してくださるお客様が増えたと考えています。それだけオンライン化されたコンテンツに需要があるということですね。
あとは、お客様をいかに素早く目的のページへ辿り着かせることができるか。それがサービスの質だと思っています。
その点、SYNALIO for LINEではコンテンツの質も良く、返答速度も速い非常に良いものが作ることができたと思っています。
倉見様:SYNALIO for LINEのチャットボットでは、既存のFAQコンテンツの中からビュー数が多いものを表示させています。キーワード検索にも対応させていますが、人気トップ10の記事だけでニーズをほとんどカバーできていると思います。
7月に九州地方、中部地方を中心に豪雨が発生しましたよね。実はあの後、電子ピアノが浸水した場合の対処や修理についての記事のアクセスが急増しました。SYNALIO for LINEの導入で、お客様の求める情報を人差し指だけで得られるようになったと思います。
被害に合われたお客様をこういった形でサポートできたのは良かったですね。
“LINE公式アカウントに友だち登録してもらうための導線はどのように作っていますか?”
本田様:Webサイトのほか、他部署が運営しているFacebookやTwitterなどのSNSに告知していただいたり、楽器修理後の完了報告伝票やメールなどにQRコードを記載しています。
倉見様:登録数は製品を購入した方ではなくサポートを利用する方が母数となるのですが、毎週120人程のペースで増えています。現在はアフターサポートとしての役割が大きいので、今後は積極的に情報を発信していき、友だち登録数も増やし、購入のきっかけにしていきたいと考えています。
“SYNALIO for LINEを導入後、変化は感じられましたか?”
倉見様:具体的な効果測定はまだこれからですが、お問い合わせ対応への満足度と推奨度を調査するアンケートの回答に変化が見られました。これまではSMSでお聞きしていましたが、今回はLINE公式アカウントを利用し、アンケートを取りました。
すると、今までは回答率が低かった10代、20代からのリアクションを多くいただくことができました。
また、今まではお子さんの楽器の修理後にお母さんが、アンケート回答をすることが大半だったので女性の回答率が高かったです。しかし、LINE公式アカウントでアンケートを取ったことにより、男性からの回答が70%と非常に増えたのです。
これまでアプローチできていなかった若い男性層にもしっかり届いていることが分かりました。
加えて、お問い合わせサービスの評価理由に、「返答が早かった」「的確に応えてもらった」というものが多くありました。LINEというプラットフォームを意識せず、お問い合わせとしての質を評価していただいているので、違和感を感じることなく便利に使っていただけているのだと推測しています。
本田様:あとは、SYNALIO for LINEの管理画面でメニューを簡単に追加できる点も良いですね。ギブリーさんに依頼せずに、私たちだけで対応できるのは大きいです。今後、様々なサービスを追加する際に手軽にメニュー化ができ、工数削減の効果が出てくると思います。
“今後はSYNALIO for LINEをどのように活用していきたいですか?”
倉見様:プッシュ配信で弊社から情報提供をして、友だち登録数をもっと増やしたいです。また、ユーザービリティアンケートの結果、「有人対応にシームレスに連携してほしい」という意見をいただいたので、改善したいと思っています。
FAQで調べてもお客様が求める情報がなかった際に、専門スタッフが電話やチャットなどですぐにサポートできる体制を整えていきたいです。
本田様:オンラインサポートは需要がありますね。楽器のトラブルは、電話やメールだけでは状況を伝えにくいケースが多々あります。そこで、端末のカメラを使って見た目や音といった映像でトラブルの状況を伝えることができれば、サポートの質がぐっと上がるでしょう。
プラットフォームがLINEならすぐにでも導入できそうですね。今後の活用が楽しみです。