最近では当たり前のように使われ始めているチャットボット。Web接客ツールとして利用されることが多いチャットボットですが、「BtoCマーケティングのみで活用するツール」と思っていませんか?実はBtoBマーケティングでも非常に効果を発揮するツールです。
今回は、BtoBマーケティングを行う上で起こる課題と、その課題に合わせたチャットボットの活用方法をご紹介します。
“BtoBサービスのWebサイトにおけるマーケティング課題”
BtoBのサービスサイトを運用している際、以下のような課題が起こることはないでしょうか。
1.ホワイトペーパーを複数用意したがダウンロードしてもらえない
2.事例ページを充実させたがコンバージョンにつながらない
3.中間コンバージョンでインプレッションは増えたが、検討度が低く受注につながらない
4.コンテンツマーケティングを行ったが、直帰率が高くコンバージョンにつながらない
5.用意しているマニュアルやFAQを見てもらえず、お問い合わせが多い
上記のような課題に対しても、チャットボットは課題解決を行えるツールです。
“各課題における原因とは?”
ではなぜ、上記のような課題が起こるのでしょうか。
1.ホワイトペーパーを複数用意したがダウンロードしてもらえない
ホワイトペーパーを複数用意したのにも関わらず、ダウンロード数が伸びない原因の1つに種類が複雑になっていることがあります。サイトを訪問するユーザーは、意思決定を促す情報がすぐに見つからないと、情報を探すことをやめて離脱してしまいます。
「ホワイトペーパーを多く作成したが類似しているものが多い」、「そのホワイトペーパーを読むことにより、どのような内容が得られるのかが初見では分かりづらい」、「種類が多く自分に合ったホワイトペーパーを選べない」などの理由で意思決定を滞らせてしまうと、離脱される可能性が高まり、その結果ダウンロード数が伸びない場合があります。
2.事例ページを充実させたがコンバージョンにつながらない
事例ページのような、キラーコンテンツ(検討度が高まりやすくコンバージョンにつながりやすいコンテンツ)を増やすことは、サービスの検討度を高めたり、意思決定を促す上でとても大切な施策です。
では、なぜ事例ページを見たのにも関わらずコンバージョンにつながらないケースがあるのでしょうか。考えられる原因は以下の2つと言えるでしょう。
①今すぐ導入を検討していない検討度の低いユーザーが閲覧している
事例ページは、自社でのサービス活用イメージを膨らませる大切なコンテンツです。しかし、まだ活用の意思決定をしていないユーザーが閲覧した場合、自社での活用イメージがしづらいため、具体的な資料請求やお問い合わせをさせることは難しいでしょう。
②自社での活用イメージが十分についていない
事例ページを見たものの、自社での活用イメージがつかない場合、やはりコンバージョンさせることは難しいと言えるでしょう。まだサービスを導入していない企業が、複数ある事例の中から自社の活用イメージに合うものや、近いケースを見つけることはハードルが高いです。自社に近しい事例が見つからなかった場合は離脱されてしまう可能性もあります。
3.中間コンバージョンでインプレッションは増えたが、検討度が低く受注につながらない
コンバージョンされたとしてもペルソナではなかったり、まだ情報収集を行なっている最中で検討度が高くないリードが集まってしまうケースもあると言えるでしょう。リードを増やすことは大切ですが、検討度が低いリードばかりが集まってしまうと、受注までたどり着くのに時間がかかってしまいます。リード獲得のために中間コンバージョンを設置すると、コンバージョンまでのハードルが低くなりますが、このような課題が起こります。
4.コンテンツマーケティングを行ったが、直帰率が高くコンバージョンにつながらない
サービスの認知・拡大や検索順位を上げて訪問者数を増やす施策の1つとして行われるコンテンツマーケティングがあります。しかし、SEOを意識するとどうしてもサービスには直結しない内容の記事も増えてしまいます。そのため、多くのターゲットではないユーザーがサイトに訪れるようになります。さらに、記事を閲覧するユーザーはサービスに対しての明確な目的はほとんどなく、気になった記事の内容を閲覧するために訪れている可能性が高いケースがあります。その結果1つの記事を見て満足して直帰してしまう、という行動が起こりやすくなります。
5.用意しているマニュアルやFAQを見てもらえず、お問い合わせが多い
こちらは既存のお客様が多く訪れるサイトによくある課題と言えるでしょう。よくある質問をサイト内で解消できるように用意をしていても、ユーザーは情報を探さず手間をかけずに解決する行動をとりやすいため、直接お問い合わせをすることが多々あります。そのためせっかく解決のコンテンツを用意しても見てもらえずに、お問い合わせが減らないということが起こります。
“課題解決におけるチャットボットの活用方法”
1.ホワイトペーパーを複数用意したがダウンロードしてもらえない
このケースでは、悩んでいるユーザーに意思決定を促すような診断型のチャットボットをご用意していただくことをおすすめします。自分に合ったホワイトペーパーを選びきれずに離脱してしまうユーザーに対し、チャットボットで答えやすい質問をします。自分に合った内容を選択してもらうことで適切なホワイトペーパーを案内し、意思決定を促すことが可能です。
2.事例ページを充実させたがコンバージョンにつながらない
こちらも1.と同様に診断型チャットボットを用いて、ユーザーに合った事例紹介をすることをおすすめします。ユーザーは自身に合った情報が閲覧できないと、自分事に捉えられず、検討度を高めることができません。そのため現在の状況、役職やなりたい状態のヒアリングを行うことで、よりユーザーに合ったおすすめの事例を紹介することが可能になります。さらに、役職などのヒアリングだけでなく「サービスのご導入時期は決まっていますか?」など検討段階のヒアリングを行うことで、サービス導入の検討度を把握することも可能です。
3.中間コンバージョンでインプレッションは増えたが、検討度が低く受注につながらない
リード総数を増やす施策を行うと、検討度の低いユーザーが増えるケースも多いでしょう。しかし、データを蓄積や活用できるチャットボットを利用することで、今まで分からなかった「なぜ資料請求をしたのか」といった、背景や検討度が分かるリードを得ることが可能になります。
サイトに訪れているユーザーの状態や背景を知るために、「役職」「検討時期」「予算」などインサイドセールスが電話でヒアリングする内容をチャットボットで行います。これを行うことにより、自社サイトにどのような属性のユーザーが訪れているのかを見える化することができます。
また、データベースと連携させるとコンバージョンした時点でどんな会話をしてきたのかを見える化することも可能です。このような施策を行うことで、インサイドセールスのアプローチ方法や、優先順位を変えることが可能になります。
4.コンテンツマーケティングを行ったが、直帰率が高くコンバージョンにつながらない
コンテンツマーケティングを行うことで、サイトに訪れるユーザーを増やすことが可能です。しかし、コンバージョンに直結しないユーザーも増加します。そのため、まずは自社サービスに興味をどれほど持ってもらえるかが大切になります。
すぐにコンバージョンに繋がるクロージングをかけるのではなく、そのユーザーに合った記事の紹介や、検討度を高めやすくなる事例を紹介することで、顧客育成を行う必要性があると言えるでしょう。検討度が低い場合は、ユーザーがチャットボットで会話を続ける割合が低くなるので、1~2会話目で別のページへ遷移させる作りがおすすめです。
5.用意しているマニュアルやFAQを見てもらえず、お問い合わせが多い
サイトに訪れたユーザーは、記載されている情報をほとんど読んでいないと言っても過言ではありません。そのため、分からないことがあった場合にサイト内を自身で動いて情報を探す可能性は低いと言えるでしょう。このような場合は直感的に操作が行え、ユーザーの求めている情報までスムーズに案内可能なチャットボットがおすすめです。「何に困っているのか」「どんな状態なのか」をヒアリングし、答えまで導くことでユーザー自身で問題解決までたどり着く手助けを行えます。
“SYNALIOでの事例”
SYNALIOは「会話データ」と「行動データ」を取得し、そのデータを活用して、名前の分からない匿名状態でも、1to1マーケティングを実現させる「チャットボット型のマーケティングツール」です。チャットボットでサイト内を回遊させることができても、顧客育成やクロージングを行えなければ意味がありません。SYNALIOではヒアリングした情報を全て蓄積することができるため、そのデータをもとにユーザー毎に次のアプローチを変えることができます。
例えば、SYNALIOでは「ツール検討1カ月以内」「予算200万円」「業務効率化事例閲覧」「サイト訪問3回目」などの情報をもとに、匿名のままユーザーを見える化することが可能です。また、この情報を活用し、ポップアップでクロージングを行うことができます。全員に同じ「資料請求はこちら」というクロージングをかけるのではなく、取得した情報をもとに会話を行うことで、より1to1なアプローチを行い、クロージング力を高めることができると言えるでしょう。
▲SYNLIO:https://synal.io/
“まとめ”
最近目に触れる機会が多くなってきたチャットボットツール。BtoBマーケティングでもインサイドセールスの代わりとしてご活用いただけるツールです。「コンテンツをただ増やせば良い」という状態ではなくなっている現在、サイト訪問しているユーザーを見える化し、適切なアプローチを行うことで現在のサイトコンテンツを活かしながら顧客育成、獲得を行っていくことが大切といえるでしょう。
サイト内を適切に案内し、サイト訪問したユーザーの状況や背景の見える化が可能なチャットボットは、今後も活用の幅が広がってくる有効的なツールとなるでしょう。